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回転灯は屋外で使える? 防水性能の選び方と設置時の注意点

回転灯を屋外に設置したいと考えたとき、「雨に濡れても大丈夫?」「屋外で使える機種はどれ?」「雨が強く当たる場所では、どの程度の防水性能が必要?」と不安になる方は多いと思います。
最初に確認したいのは、その回転灯が屋内用なのか、メーカーが屋外使用を認めている製品なのかという点です。そのうえで、「IP23」「IP55」「IP65」「IP66」などのIP等級から、水に対する保護性能を確認します。
結論:屋外対応と明記されたIP23の回転灯は、メーカーが指定する方向で正しく取り付ければ、一般的な雨の当たる屋外で使用できます。
ただし、IPとは何を示すのか、数字が大きくなると何が変わるのかは、初めて見る方には分かりにくいものです。この記事では、屋外で使える回転灯の確認方法から、IP等級の見方、設置場所に合った防水性能の選び方まで、電材ランドが分かりやすく解説します。
回転灯の大きさ、電圧、発光方式などを含めて検討したい方は、 回転灯・フラッシュ灯の失敗しない選び方 もご覧ください。
第1章:回転灯を屋外で使えるか確認する方法
まず「屋外使用可」と明記されているか確認
回転灯を屋外に設置するときは、製品仕様の「取付場所」や「使用場所」を確認してください。「屋外」または「屋内・屋外」と明記された製品を選びます。屋内用の回転灯は、屋外では使用できません。
屋外使用が認められていることを確認したうえで、IP等級、取付方向、必要な取付部品などの条件を確認します。
IPとは? 数字は何を表している?
IPは、電気機器が固形物や水の侵入に対して、どの程度保護されているかを示す共通の等級です。日本ではJIS C 0920で定められており、国際規格IEC 60529に対応しています。例えば「IP23」は、次のように読みます。
  • 最初の「2」:固形物に対する保護
  • 後ろの「3」:水に対する保護
屋外で使用する回転灯を選ぶとき、特に確認したいのは後ろの数字です。基本的には数字が大きくなるほど、より強い水のかかり方を想定した試験になります。
水に対する保護等級1~6の見方
水の等級 保護の目安 簡単な説明 回転灯選びの目安
1 垂直に落ちる水滴 上から落ちる水滴に対する保護
2 斜め15度以内からの水滴 機器を傾けた状態で落ちる水滴に対する保護
3 左右60度以内からの散水 斜め方向からの雨を想定した保護 多くの一般的な屋外用回転灯で採用されています
4 あらゆる方向からの飛まつ さまざまな方向からの水しぶきに対する保護 パトライトRFT・RFVなど、IP54の屋外用回転灯があります
5 あらゆる方向からの噴流水 ノズルなどから噴射される水に対する保護 標準で対応する製品のほか、適合するマウントラバーなどを使用するとIP55・IP65になる製品があります
6 あらゆる方向からの強い噴流水 IPX5より強い噴流水に対する保護 パトライトRLR型や一部のKT仕様など、高い防水性能を持つ回転灯で採用されています
電材ランドで取り扱う屋外用回転灯では、水に対する等級が「3」「4」「5」「6」の製品が中心です。なお、IP55とIP65は、水に対する後ろの数字がどちらも「5」のため、IPコード上の水に対する保護等級は同じです。最初の数字は、固形物やほこりに対する保護性能を示します。
IP等級は、決められた条件による試験結果です。実際に屋外で使えるかどうかは、メーカーが指定する使用場所や取付方向も含めて判断します。
屋外対応のIP23回転灯は一般的な雨の中で使える
屋外対応の回転灯には、保護等級がIP23となっている製品が多くあります。IP55やIP66より数字が低いため、「少しでも雨が降ったら使えないのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、メーカーが屋外使用を認めているIP23の回転灯は、工場や倉庫の出入口、駐車場、門扉付近など、一般的な雨の当たる屋外で使用できます。通常の屋外設置であれば、必ずしもIP55やIP66の回転灯を選ぶ必要はありません。
IP23の「3」は、鉛直方向から左右60度以内の範囲で散水した場合に、有害な影響を受けないことを確認する等級です。
第2章:設置場所から必要な防水性能を判断
回転灯の防水性能は、単純に「屋外だから高いIP等級が必要」と考えるのではなく、設置後にどのように水がかかるかを基準に選びます。
IP23で使用できることが多い場所
メーカーが屋外使用を認めているIP23回転灯を、指定された正方向で設置する場合の目安です。
  • 工場や倉庫の出入口
  • 建物の外壁付近
  • 駐車場の出入口
  • 門扉やゲート付近
  • 屋外設備の上部
  • 一般的な雨が当たる場所
屋根や軒がない場所でも、一般的な雨の当たり方であれば、メーカーが屋外使用を認めているIP23回転灯を使用できます。通常の屋外設置では、必ずしもIP55やIP66の回転灯を選ぶ必要はありません
一般的な雨が当たる屋外と設備から水しぶきが繰り返しかかる場所の比較
一般的な雨が当たる屋外では、メーカーが屋外使用を認めたIP23回転灯を使用できます。設備からのミストや水しぶきが繰り返しかかる場所では、IP55以上を目安に、機種ごとの使用条件を確認して選定します。
IP55・IP65などを検討したい場所
  • 横方向から強い雨が繰り返しかかる
  • 地面や車両からの跳ね水を受けやすい
  • 水しぶきが頻繁にかかる
  • 雨どいや屋根、設備などから流れ落ちる水が、回転灯に集中して当たる
IP55とIP65は、最初の数字が異なりますが、水に対する保護を示す後ろの数字はいずれも「5」です。そのため、IPコード上の水に対する保護等級は同じで、固形物やほこりに対する保護性能が異なります。
IP55・IP65は選定時の目安です。最終的には、使用する機種についてメーカーが認めている使用場所、取付方向、取付部品などの条件を確認してください。
防水性能を重視して選びたい方は、 高防水性の回転灯・表示灯一覧 をご覧ください。
横殴りの雨が当たる場所は?
悪天候のときに一時的に横方向から雨が当たるというだけで、必ずIP55やIP66の回転灯を選ぶ必要はありません。メーカーが屋外使用を認めているIP23の回転灯は、一般的な屋外設置に使用できます。
IP55以上を検討したいのは、設置場所の関係で横方向や下方向から強い雨が繰り返しかかる場所、跳ね水が多い場所、雨どいや屋根などから流れ落ちる水が集中して当たる場所です。
判断するときは、強い雨が一時的に当たる可能性ではなく、普段から水がどの方向から、どの程度繰り返しかかるかを確認してください。
機種ごとの確認が必要な場所
  • ホースの水が日常的に直接当たる
  • 洗車場などで大量の水を使用する
  • 高圧洗浄機を使用する
  • 水没する可能性がある
IP55やIP65であっても、メーカーがホースによる直接散水を保証していない機種があります。ホースや高圧洗浄の水が当たる場所では、IPの数字だけで機種を選ばず、取扱説明書やメーカーの使用条件を確認してください。
水没する可能性がある場所には回転灯を設置せず、設置位置を高くするなど、水につからない対策が必要です。
第3章:取付方向やブラケットで防水性能が変わります
回転灯の防水性能は、本体に表示されたIP等級だけでなく、実際の取付状態まで含めて考える必要があります。
屋外では指定された方向に取り付ける
一般的な回転灯は、屋外で横向きや逆さに取り付けることはできません。グローブが上、取付面が下になる正方向で設置してください。
壁面へ設置する場合は、壁面取付ブラケットなどを使用し、回転灯本体が正方向になるように取り付けます。
ただし、パトライトのRLR型のように、正方向と逆さ方向の両方に対応している製品もあります。屋外で使用できる取付方向は機種によって異なるため、仕様書や取扱説明書を確認してください
屋外における回転灯の正方向、横向き、逆さ方向の取付例
一般的な回転灯は、グローブが上、取付面が下になる正方向で設置します。横向きや逆さ方向で屋外使用できるかどうかは、機種ごとの仕様を確認してください。
マウントラバーで防水性能を高められる機種
回転灯と取付面の間に、メーカー指定のマウントラバーを使用することで、防水性能を高められる機種があります。
例えば、日恵製作所のニコトーチ・90高輝度 VK09R型は、標準状態ではIP23ですが、適合するマウントラバーを使用するとIP55になります。対象機種や取付条件は、 日恵製作所「ニコトーチ・90高輝度 VK09R型」の公式カタログ で確認できます。
ただし、壁面ブラケットや平面ブラケットと併用した場合は、IP55にはなりません。マウントラバーで回転灯の底面を保護できても、ブラケットには取付け用の穴や接合部分があるため、設置状態全体では同じ防水性能を維持できないためです。
防水性能を維持できる壁面ブラケットもある
パトライト社には、適合するマウントラバーと組み合わせることで、壁面取付時にもIP65を維持できる防水壁面ブラケットがあります。対応機種と組み合わせ条件は、 パトライト公式のSZK-101製品情報 で確認できます。例えば、次の組み合わせがあります。
AC電源プラグ付きコードには対応していません。使用する回転灯との適合確認が必要です。
通常の壁面ブラケットを含む取付部品は、 パトライト壁面取付ブラケット一覧 から確認できます。
マウントラバーやブラケットを選ぶときは、単に取り付けられるかだけでなく、組み合わせた状態でのIP等級まで確認することが大切です。
第4章:屋外では配線部分の防水処理も重要
回転灯本体がIP55やIP66であっても、配線部分の防水処理が不十分であれば、そこから水が侵入することがあります。特に注意が必要なのが、回転灯から出ているコードの先端や電源の接続部分です。
防水性能の高いパトライトRLR型でも、取扱説明書では、コード先端の接続部分へ防水処理を行うよう求めています。仕様書・取扱説明書は、 パトライト公式のRLR製品情報 から確認できます。
電材ランドに寄せられた実際の故障事例
電材ランドにも、屋外で使用していたRLR型が故障したという連絡があり、メーカーへ調査を依頼したところ、コード先端から水が侵入していたため、保証対象外と判断された事例が複数あります
本体がIP66でも、コード先端や接続部分まで自動的に防水になるわけではありません。
屋外では、回転灯本体の固定だけでなく、電源接続部、コード先端、配線の引込み部分を含めた防水処理が必要です。
安全のため、屋外での配線は電気工事店へ依頼してください。
第5章:回転灯の屋外使用に関するよくある質問
Q1.IP23の回転灯を雨の当たる場所へ設置できますか?
メーカーが屋外使用を認めている機種を、指定された方向で取り付ければ、一般的な雨の当たる場所で使用できます
Q2.IP23は防水ではなく防滴という意味ですか?
完全防水を意味するものではありませんが、「IP23だから屋外では使えない」ということでもありません。日恵製作所ではIP23を「防雨形」と表示している機種があり、メーカーが屋外使用を認めている製品は、一般的な屋外の雨を想定して使用できます。
Q3.IP23の「3」は何を表していますか?
水に対する保護等級を表しています。IPX3は、鉛直方向から左右60度以内の範囲で散水した場合に、有害な影響を受けないことを確認する等級です。
Q4.IP55とIP65では、どちらが水に強いですか?
水に対する等級は、後ろの数字が同じ「5」のため同じです。最初の数字は、固形物やほこりに対する保護の違いです。
Q5.IP66なら水没しても大丈夫ですか?
いいえ。IP66は強い噴流水に対する保護等級であり、水没に対する等級ではありません。パトライトと日恵製作所の回転灯は水中での使用を想定していないため、水没する可能性がある場所には設置しないでください。設置位置を高くするなど、回転灯が水につからない対策が必要です。
Q6.マウントラバーを付ければ必ずIP等級が上がりますか?
必ず上がるわけではありません。適合機種と取付方法に加え、ブラケットを含む組み合わせでのIP等級を確認してください。
Q7.長期間使用すると防水性能は低下しますか?
パッキンなどの部品は、長期間の使用や温度変化によって劣化する可能性があります。定期的に外観や取付状態を確認し、使用機種の取扱説明書に従って点検・交換してください。
第6章:まとめ|設置場所に合った回転灯を選びましょう
一般的な雨が当たる屋外では、メーカーが屋外使用を認めているIP23回転灯を、指定された方向で正しく取り付けることが基本です。必要以上に高いIP等級を選ぶのではなく、実際の水のかかり方に合わせて選定します
設置場所ごとの選定目安
  • 一般的な雨が当たる場所:
    メーカーが屋外使用を認めているIP23製品を、指定方向で設置
  • 横方向から強い雨が繰り返しかかる場所や、跳ね水が多い場所:
    IP55・IP65などを目安に、機種ごとの使用条件を確認
  • 水が強く当たりやすい厳しい屋外環境:
    IP66などを目安に、機種ごとの使用条件を確認
  • ホースや高圧洗浄の水が直接当たる場所:
    IP等級だけで判断せず、メーカーへ確認
  • 水没する可能性がある場所:
    回転灯を設置せず、設置位置を高くするなどの対策を実施
使用環境に合った回転灯を選ぶ
防水性能を重視して選ぶ
厳しい屋外環境で使用する回転灯を、防水性能から確認できます。
高防水性の回転灯・表示灯一覧
大型・IP66の回転灯を選ぶ
高い防水性能を持つ大型回転灯の電圧や仕様を確認できます。
パトライトRLR型一覧
条件から総合的に選ぶ
大きさ、電圧、発光方式、ブザーの有無などから選定できます。
回転灯・フラッシュ灯の失敗しない選び方
設置環境に合う回転灯が分からない方へ
水のかかり方、取付方向、使用電圧を確認したうえで、設置環境に適した機種をご案内します。
回転灯の機種選定について電材ランドへ問い合わせる

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