プールの緊急通報・応援要請│無線リモコンでスタッフルームの回転灯を作動
スポーツクラブやスイミングスクールのプールで事故や体調不良が発生した際、監視スタッフは救助対応を優先しながら、ほかのスタッフへ速やかに応援を求めなければなりません。しかし、スタッフルームまで距離がある場合、大声や内線だけでは緊急事態に気づいてもらえない可能性があります。
このようなプール監視中の緊急通報・応援要請に活用できるのが、無線リモコンとブザー付き回転灯を組み合わせた連絡方法です。監視スタッフが小型の無線リモコンを操作すると、スタッフルームに設置した黄色の回転灯が作動し、ブザー音とともに異常を知らせます。
この記事では、スポーツクラブで行われている運用をもとに、小型無線リモコンとブザー付き回転灯を使った構成、複数のリモコンを使用する方法、導入前に確認しておきたい無線通信や設置上の注意点について解説します。
第1章:プール監視では緊急時の連絡体制が重要
プールで事故や急な体調不良が発生した場合、監視スタッフは傷病者の救助や救護を行いながら、ほかのスタッフへの応援要請や、必要に応じた消防などへの連絡を速やかに進める必要があります。そのためには、あらかじめ緊急時の連絡体制とスタッフの役割を決めておくことが重要です。
文部科学省・国土交通省の「プールの安全標準指針」では、施設の異常や事故を発見・察知したときの緊急対応の内容と連絡体制を整備し、安全管理に携わるすべての従事者へ周知しておくことが必要とされています。また、監視員と管理責任者が緊急時に円滑に連絡できる通信手段を確保することが望ましいとされています。
さらに、緊急事態を想定した訓練では、異常を察知した監視員からほかの従事者への連絡方法を検討し、迅速に対応できるよう確認しておくことが必要とされています。
同指針は学校や社会体育施設などのプールを主な対象としていますが、スイミングスクールなどの民営プールでも参考として活用することが期待されています。なお、連絡に使用する機器までは指定されていないため、無線リモコンと回転灯の組み合わせは、施設内の緊急連絡体制を補助する方法の一つとなります。
第2章:無線リモコンでスタッフルームへ応援要請
スポーツクラブでは、無線リモコンと回転灯をプール監視中の応援要請に活用している例があります。事故や体調不良などの緊急事態が発生した際、監視スタッフが無線リモコンを操作し、スタッフルームに設置した回転灯の光とブザー音で異常を知らせる運用です。
基本的な流れは次のとおりです。
- 監視スタッフが異常を発見する
- 携帯している小型無線リモコンを操作する
- スタッフルームの黄色い回転灯が作動する
- 光とブザー音に気づいたスタッフが応援に向かう
監視スタッフは救助や利用者への対応を続けながら、離れた場所にいるスタッフへ応援を求められます。
ただし、この仕組みだけでプールの安全対策が完結するものではありません。施設で定めている緊急連絡体制や救助・救護の手順を補助する設備として使用します。
第3章:使用する無線リモコンとブザー付き回転灯
今回の構成では、日恵製作所の小型無線リモコンと、AC100Vのブザー付き回転灯を使用します。
小型無線リモコン「MU01LS」
監視スタッフが携帯するMU01LSは、コイン電池で作動する質量約40gの小型無線リモコンです。ON・OFFの一斉操作に対応し、リモコン側のモニターランプで、回転灯が電源の入った受信可能な状態かを確認できます。
保護等級はIP67です。水しぶきが想定される環境でも扱いやすい製品です。
黄色のブザー付き回転灯「VL12R型」
スタッフルームには、日恵製作所のLED回転灯VL12R型のAC100V・ブザー付きタイプを設置します。ブザー音量は約70~90dBの範囲で調整できるため、スタッフルームの広さや周囲の音に合わせて設定できます。
今回の構成では、応援要請を知らせる回転灯として黄色を選定しています。施設内ですでに色の使い分けを決めている場合は、その運用ルールに合わせて選定してください。
第4章:複数のリモコンから同じ回転灯を作動可能
基本構成は、監視スタッフが使用するリモコン1台と、スタッフルームに設置する回転灯1台です。監視スタッフが複数いる場合は、それぞれがリモコンを携帯し、どのリモコンからでも同じ回転灯を作動させる構成にできます。
例えば、監視スタッフ2名がそれぞれMU01LSを携帯し、スタッフルームにVL12Rを1台設置する「リモコン2台・回転灯1台」の構成が可能です。MU01LSでは操作元を識別できないため、いずれのリモコンが操作された場合でも、同じ場所へ応援に向かう運用に適しています。
ほかにも、このような運用が可能です
監視スタッフが携帯するリモコンとは別に、保護者ギャラリーにも無線リモコンを設置し、異常に気づいた保護者からスタッフルームへ知らせる構成も考えられます。
設置する場合は、リモコンの定位置、操作する状況、操作後のスタッフ対応、誤操作を防ぐ管理方法をあらかじめ決めておきます。操作元は識別できないため、監視スタッフ用リモコンと同じ対応を行う運用とします。
第5章:導入前に設置場所で無線通信を確認
無線リモコンの通信距離は、建物の構造や壁、扉、設備などの影響を受けます。電材ランドでは、遮るものが無い見通しのよい環境で最長約400mを目安として案内していますが、鉄筋コンクリートの壁、金属製の扉、大型設備などが間にあると、通信距離が短くなります。特に地下から1階、1階から2階といった階をまたぐ通信は、床のコンクリートなどに電波を遮られやすいため、事前の通信確認が必要です。
電材ランドでは、導入前に実際の設置場所で通信状況を確認できるデモ機を、お貸ししています。デモ機で監視スタッフがリモコンを使用する複数の場所から、スタッフルームの回転灯設置予定場所まで通信できるかをご確認ください。
第6章:設置後の対応手順と定期的な作動確認
無線リモコンと回転灯を導入する際は、機器を設置するだけでなく、作動した後のスタッフの行動を決めておくことが重要です。
- 誰が無線リモコンを携帯するか
- どのような状況でリモコンを操作するか
- 回転灯が作動した際に誰が応援へ向かうか
- 救急車の要請など外部への連絡を誰が行うか
- 対応後に誰が回転灯を停止するか
スタッフルームに人がいない時間帯がある場合は、回転灯が作動しても気づく人がいません。勤務体制を確認し、通常スタッフがいる場所に設置してください。また、緊急時に確実に使用できるよう、リモコンの電池残量と回転灯の作動を定期的に確認します。
※この仕組みは施設内の連絡を補助するものであり、AEDや救命具などの救命設備、消防などへの緊急連絡手段、施設で定めている救助・救護体制の代わりになるものではありません。
第7章:よくある質問
Q1.これは消防や救急へ自動通報する装置ですか?
いいえ。MU01LSは施設内の無線対応回転灯を操作するリモコンであり、消防や救急へ自動通報する機能はありません。必要に応じて別途119番通報などを行います。
Q2.複数のリモコンから1台の回転灯を作動できますか?
はい。複数のMU01LSから、同じIDを設定した1台の回転灯を作動できます。ただし、どのリモコンから操作されたかは識別できません。
Q3.保護者ギャラリーにもリモコンを置けますか?
対応可能です。定位置、操作する状況、操作後のスタッフ対応、誤操作を防ぐ管理方法を決めたうえで運用してください。
Q4.地下や別の階からでも通信できますか?
建物の構造によって異なります。階をまたぐ場合は床のコンクリートなどで電波が届きにくくなる可能性があるため、導入前の通信確認をおすすめします。
Q5.無線リモコンは防水ですか?
MU01LSの保護等級はIP67です。水しぶきが想定される環境でも扱いやすい製品です。
Q6.導入前に無線が届くか確認できますか?
はい。通信確認用のデモ機を約1週間お貸ししています。ご返送時の送料はお客様負担です。
Q7.回転灯の取付けは自分でできますか?
電源プラグが付属しているため、設置場所の近くにコンセントがあれば、お客様ご自身で取り付けられます。スタッフが光とブザー音に確実に気づける場所を選んで設置してください。
第8章:プール監視中の応援要請を無線でスタッフルームへ
今回紹介した構成の要点は次の3点です。
- 監視スタッフの無線リモコンから、スタッフルームの黄色いブザー付き回転灯を作動させる
- 複数の監視スタッフや保護者ギャラリーから、同じ回転灯へ知らせる構成にも対応できる
- 導入前にデモ機で通信状況を確認し、操作後の対応手順を決めておく
この仕組みを既存の緊急連絡体制に組み込むことで、監視スタッフが救助や利用者への対応を続けながら、スタッフルームへ応援を要請できます。
今回紹介した製品
プールの応援要請システムをご検討の方へ
リモコンを使用する場所、回転灯を設置するスタッフルームの位置、必要な台数を伺い、施設の運用に合う機器構成をご案内します。デモ機による通信確認もご相談ください。
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2026-08-11 17:44
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